この記事は「医療事務(医科)能力検定試験がどんな資格なのか、どのように試験がおこなわれているのか」について解説します。
医療事務の資格のなかでも合格率が高くこれまで資格の勉強をしたことがないといった超入門者向けの資格です。
医療事務(医科)能力検定試験の特徴
- 一般財団法人日本ビジネス技能検定協会が2010年からはじめた歴史の浅い医療事務資格
- 3級〜1級までのレベルに分かれていて知識・技能に応じて受験できる
- 試験は6月・10月・2月の年3回おこなわれ、在宅受験(一部地域を除く)にも対応している
- どの級も合格率は80%以上のため医療事務のなかでも挑戦しやすい資格
医療事務(医科)能力検定試験とは?
医療事務(医科)能力検定試験は、一般財団法人日本ビジネス技能検定協会が実施している医療事務の民間資格です。
各種ビジネス技能検定試験の実施を通してビジネスに関する職務能力の向上を目的としている団体です。医療事務の資格以外にも情報技術能力検定試験、農業簿記検定®、一般教養力検定試験といった、さまざまな資格を実施しています。
医療事務(医科)能力検定試験は1級、2級、3級の3階級があり、勉強量や勉強期間、実務経験などに合わせて徐々にステップアップできるような試験になっています。
各級の目安
- 1級…総合・大学病院対応の医療事務
- 2級…クリニック対応の医療事務
- 3級…医療事務の入門
2・3級では外来の診療報酬明細書作成の知識について。1級では入院の診療報酬明細書作成の知識が求められます。
医療事務(医科)能力検定試験の概要
試験日と試験会場
医療事務(医科)能力検定試験は、年3回(2月、6月、10月)実施されていて試験月の2か月前に申し込みが必要になります。
試験は、全国主要都市12か所にある大原専門学校内での会場受験。または自宅に郵送で届く試験問題を解答する在宅受験のどちらかを選ぶことができます。
在宅受験のメリットは、試験時間に左右されることなく落ち着いて解答できる点です。
ただし、在宅試験は試験問題が配送できない一部地域では受けられないので事前に確認したうえで申し込みするようにしましょう。
在宅受験不可の地域一覧
都道府県 | 受験不可地域 |
---|---|
北海道 |
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伊豆諸島 |
|
小笠原諸島 | 小笠原村 |
新潟県 | 佐渡市 |
京都府 | 南丹市美山町 |
奈良県 |
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兵庫県 |
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島根県 | 隠岐郡 |
愛媛県 |
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福岡県 | 福岡市西区玄界島 |
長崎県 |
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熊本県 |
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鹿児島県 |
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沖縄県 |
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試験範囲と出題形式
試験方式・時間 | 試験内容 | |
---|---|---|
1級 | 【学科】筆記択一式 【実技】診療報酬明細書作成 【時間】90分(10:00~11:30) |
|
2級 | 【学科】筆記択一式 【実技】診療報酬明細書作成 【時間】90分(13:00~14:30) |
|
3級 | 【学科】筆記択一式 【実技】診療報酬明細書作成 【時間】60分(10:30~11:30) |
|
3・2級では外来。1級では外来・入院に対応したレセプト作成が問われます。
総合病院や大学病院では入院の点数算定(入院料や食事療養費など)の知識が必須です。
就職・転職先の選択肢を広げるためには医療事務(医科)能力検定試験は1級の取得がマストです。
合格基準と合格率
1級から3級まで総得点の70%程度が合格基準。毎年、問題の難易度で補正された点数以上を得点すると合格となります。
1級を取ろうと思うと難易度がすごく高いと思ってしまいますが毎回80%以上の人が合格しているので安心してくださいね。
平成30年度分(平成30年4月~平成31年3月実施分)
実施月 | 級 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|---|---|
医療事務(医科)能力検定試験(第38回) | 6月 | 1級 | 40 | 35 | 87.5 |
2級 | 110 | 97 | 88.2 | ||
3級 | 234 | 192 | 82.1 | ||
医療事務(医科)能力検定試験(第39回) | 10月 | 1級 | 82 | 75 | 91.4 |
2級 | 102 | 94 | 92.2 | ||
3級 | 143 | 134 | 93.7 | ||
医療事務(医科)能力検定試験(第40回) | 2月 | 1級 | 25 | 20 | 80 |
2級 | 121 | 103 | 85.1 | ||
3級 | 181 | 176 | 97.2 |
資格の区分 | 民間資格 |
---|---|
主催団体 | 一般財団法人 日本ビジネス技能検定協会 |
試験級 | 【1級】 【2級】 【3級】 |
資格概要 | 医療事務(医科)能力検定試験は、病院等で医療事務の様々な業務をスムーズに行えるように、医療保険の仕組み、治療費の計算方法、診療報酬請求の仕組みなど専門知識をしっかりと理解しているかを証明する試験になります。 |
受験資格 | 誰でも受験できる |
受験科目 | 1級 医療保険制度の仕組み、診療報酬明細書(入院)を作成するために必要な知識 2級 医療保険制度の仕組み、診療報酬明細書(外来)を作成するために必要な知識 3級 医療保険制度の仕組み、診療報酬明細書(外来)を作成するために必要な基礎知識 |
実施時期 | 年3回(2月、6月、10月) |
受験料 |
|
受験地 | 会場受験または在宅受験(一部地域不可) |
合格発表 | 受験日から約1か月後に郵送にて発表されます。 |
医療事務(医科)能力検定試験の勉強方法
テキストを揃えて独学で取得を目指す
一般的に医療事務の資格は通学・通信講座などを受講するイメージですが医療事務(医科)能力検定試験は受験資格が不問。独学でも取得が目指せる資格です。
自分に合ったテキストを選ぶ必要がありますが資格の取得にかかる費用を最低限に抑えることができます。
必要な教材として少なくとも揃えておきたいものは、
- 診療報酬点数表または診療報酬早見表
- 医療保険制度等の法規のテキスト
- 医療用語等の保険請求事務のテキスト
- 生理機能等の医学一般のテキスト
- 診療報酬明細書(レセプト作成)のテキスト
- 試験対策としての問題集
以上の6点です。診療報酬は2年に1回改定されるため「診療報酬点数表」または「診療報酬早見表」は最新のものを購入しましょう。
通信・通学講座
医療事務(医科)能力検定試験の対策講座は資格の大原が開講していて、幅広いコースのなかから必要に応じたコースを選ぶことができます。
通学・通信講座のメリットは資格の合格に向けたテキストが充実していること。効率よく勉強し、最短で資格を取得したい人に通学・通信講座はおすすめです。
講座名 | 費用 | 学習期間 |
---|---|---|
医療事務3級合格コース | 19,300円(映像通学) 16,200円(DVD通信) 14,200円(Web通信) |
1ヶ月 |
医療事務3級から学ぶ2級合格コース | 46,800円(映像通学) 41,700円(DVD通信) 36,600円(Web通信) |
3ヶ月 |
医療事務3級から学ぶ1級合格コース | 94,700円(映像通学) 73,300円(DVD通信) 65,100円(Web通信) |
5ヶ月 |
医療事務(医科)能力検定試験についてのまとめ
医療事務の資格は知名度・信用度・実施規模の3つの観点から、
- 診療報酬請求事務能力認定試験
- 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
- 医療事務管理士技能認定試験
これらが医療事務のスタンダード資格です。また、初心者向けには医療事務の全般について学べる「医療事務認定実務者®」といった資格もあります。
医療事務は、自分の生活スタイルに合わせた働き方ができることから女性に人気の資格。仕事をしながらでも挑戦しやすく”あなたらしい働き方”を手に入れることができます。
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