この記事は「医療情報事務士はどんな資格なのか、どのように試験がおこなわれているのか」について解説します。
他サイトでは「医療事務士」と記載されていることがありますが正しくは医療情報事務士です。
医療情報事務士の特徴
- 教育指定校で科目の履修、単位の取得が受験資格となるため学生向け(一般受験はできない)の資格
- 「医療管理・事務総論」「医療事務演習」「医学一般」「情報処理」について学ぶことで医療事務の基礎が身につく
- 将来的に医療・介護・福祉といった分野で働くことを目標とする学生にとって単位も資格も取れるカリキュラム
医療情報事務士資格認定試験とは?
医療情報事務士は日本病院管理教育協会が実施する医療事務の民間資格です。
昭和48年の創立以来、公益法人として医療・介護・福祉の分野で多数の人材を育成し、積極的に就労の支援をおこなっている団体です。全国15か所の教育指定校において資格取得のカリキュラムを実施しています。
医療情報事務士は将来的に医療・介護・福祉といった分野で働くことを目標とする大学・短大、専門学校生に向けた資格。
大学なら4年、短期大学・専門学校なら2年間、じっくりと医療事務に関する知識と技能を身につけることができます。
- ① 教育指定校において必要な科目を履修した者
- ② 資格認定試験に合格し認定申請をおこなった者
に対して与えられる称号が「医療情報事務士」です。
医療事務に必要とされる「診療報酬点数制度」「医療関連法規」「医療保険制度」などの知識を証明することができます。
名称は似ていますが「診療情報管理士」とはまったく違う資格です。
協会が指定する教育指定校の学生向けの資格
医療情報事務士は、協会が指定する教育指定校(大学・短期大学・専門学校)で医療事務管理に関する指定の科目を履修し、単位を取得することが受験資格となります。
医療情報事務士の資格は一般・社会人はもちろん独学でも取得はできないので注意してくださいね!
教育指定校で履修する科目は、
- 医療管理・事務総論(医療法・医療保険制度・他関連法規を含む)
- 医療事務演習(診療報酬請求事務の算定理論と実技)
- 医学一般(医療事務に関する知識)
- 情報処理(コンピュータ演習、コンピュータリテラシー)
の4科目です。
医療情報事務士と医事管理士の違いは「履修科目」
同じ(財)日本病院管理教育協会が主催する資格に「医事管理士」があります。
とてもよく似た資格ですが医事管理士は「薬理概論」の科目が追加され、より幅広い知識が求められます。
どちらの資格の取得を目指しても医療事務の重要な業務診療報酬明細書(レセプト)作成についての知識と実技について学ぶことができるので安心してくださいね。
医療情報事務士 | 医事管理士 |
---|---|
資格の概要 | |
患者さんが持参した被保険者証(保険証)を確認したうえで診療録(カルテ)を作成したり、診療報酬の点数算定など医療の事務処理をスムーズにおこなうための能力を身につける。 | 医療の事務処理をおこないつつ医療事務全般の管理をおこなう。医療事務および一般事務を把握し、事務処理能力やマネジメント能力を身につける。 |
履修科目 | |
|
|
医療情報事務士に合格するとどんな仕事ができる?
医療情報事務士は、教育指定校での履修科目を通して医療機関で働くための基礎知識を身につけることができます。
医療情報事務士としての業務は「受付業務」「クラーク業務」「請求業務」の大きく分けて3つです。
患者さんが来院されて保険証を提示するところから診察室への案内、診察後の会計まで一連の流れを担当します。
そのなかでも特に重要な業務が請求業務です。
患者さんが受ける診察や検査などの医療行為には細かく料金(診療報酬点数)が決められていて、それぞれの医療行為ごとに支払われる料金の合計と医薬品代を合わせた合計額が医療費となります。
患者さんは医療費全体の3割を医療機関の窓口で支払い、残りの7割は保険者(患者さんが加入している国民健康保険・全国健康保険協会・健康保険組合など)が支払っています。
請求業務は病院の貴重な収入源。ミスがあれば病院の経営にも影響しますし、患者さんに対しても迷惑がかかってしまいます。
このような、医療の事務処理をスムーズにする重要な役割を担うのが「医療情報事務士」です。
患者さんの氏名、生年月日、住所などの基本的な情報から医師による診察の記録や検査の結果など診療に関する情報です。
医療情報事務士が目指せる大学・短大・専門学校の一覧
都道府県 | 学校名 |
---|---|
岩手県 | 盛岡医療福祉専門学校 |
都道府県 | 学校名 |
---|---|
栃木県 | 國學院大学栃木短期大学 |
群馬県 | 桐生大学短期大学部 |
東京都 | 専門学校東京ビジネス外語カレッジ |
都道府県 | 学校名 |
---|---|
愛知県 | 愛知みずほ短期大学 |
大阪府 | 大阪城南女子短期大学 羽衣国際大学 |
京都府 | 京都文教短期大学 |
兵庫県 | 湊川短期大学 園田学園女子大学短期大学部 |
都道府県 | 学校名 |
---|---|
愛媛県 | 今治明徳短期大学 |
香川県 | 香川短期大学 |
都道府県 | 学校名 |
---|---|
福岡県 | 近畿大学九州短期大学 精華女子短期大学 |
大分県 | 東九州短期大学 |
長崎県 | 長崎女子短期大学 |
沖縄県 | 沖縄女子短期大学 |
医療情報事務士の試験概要
試験日と試験会場
試験は年度ごとに11月と1月の計2回。会場は教育指定校にて実施されます。
試験範囲と出題形式
試験範囲は教育指定校の履修科目に準拠して出題されます。日々の予習・復習が試験対策につながるので、きちんと授業に取り組みましょう。
試験範囲
- 医療管理・事務総論(医療法・医師法・医療保険制度・療養担当規則他関連法等含む)
医療秘書概論・医療管理学概論・医療事務総論・医療管理・医療秘書学など
- 医療事務演習(診療報酬請求実務)
医療秘書事務・医療事務総論・医療保険実務・医療事務実技・医療秘書実務・医療事務・医療事務演習・医療事務実習など
- 医学一般(医療事務に関する知識)
予防医学・医学一般・解剖生理学・医学概論・家庭の医学・健康科学・解剖学・生理学など
- 情報処理
情報科学・コンピュータ基礎・栄養情報処理・情報処理・コンピュータ基礎演習など
合格基準と合格率
合格基準や合格率は明らかになってはいませんが指定される科目を履修し、単位を取得した学生が受験するため高い合格率になると予想されます。
医療情報事務士をステップにして、さらに専門的な知識が必要となる診療報酬請求事務能力認定試験を目指すといいかもしれませんね。
資格の区分 | 民間資格 |
---|---|
主催団体 | 一般財団法人 日本病院管理教育協会 |
資格概要 | 医療機関におけるカルテ作成、診療報酬算定の知識・技能を問うための試験 |
受験資格 | 教育指定校で受験資格規定科目を履修し、単位を取得した学生 |
受験科目 |
から出題される |
実施時期 | 年2回(1月、11月) |
受験料 | 5,000円 |
受験地 | 教育指定校にて |
合格発表 | 試験終了2週間前後 |
その他 | 資格申請料として別途10,000円必要 |
医療情報事務士資格認定試験についてのまとめ
医療情報事務士は日本病院管理教育協会が指定する教育指定校に通学することを前提とした資格です。
将来的に医療や介護、福祉の業界で働くことを考えている高校生(受験生)にとっては在学中に資格が取れる進学先として進路を決める一つの基準になるかもしれないですね。
ただ、社会人や主婦(主夫)にとっては、もう一度学校に通い直す必要があるので現実的ではありません。
医療事務の資格は知名度・信用度・実施規模の3つの観点から、
- 診療報酬請求事務能力認定試験
- 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
- 医療事務管理士技能認定試験
これらが医療事務のスタンダード資格です。また、初心者向けには「医療事務認定実務者」といった試験もあります。
医療事務は、自分の生活スタイルに合わせた働き方ができることから女性に人気の資格。仕事をしながらでも挑戦しやすく”あなたらしい働き方”を手に入れることができます。
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